民事再生は、一度申し立てたら、取り下げることができないのか。取り下げ制限について法律の観点から見ていきます。

身近な法律制度 民事再生法について

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民事再生における取り下げ制限を法律の規定からみる。

民事再生は、一度申し立てたら、取り下げることができないのでしょうか。取り下げ制限について法律の観点から見ていきたいと思います。銀行取引停止処分を免れる目的で再生手続開始の申立てを行い、30条1項の弁済禁止の保全処分を得て、債権者からの追及のほとぼりが醒めたころに申立てを取り下げる、という濫用事例が問題となったことがあります。弁済禁止の保全処分のみをいわば「つまみ食い」するのです。これを放置すると、裁判所の倒産処理に対する社会的信用を害することになります。

また、債権者による債権回収行動を直接又は間接に制約するような保全処分が一旦行われた以上、再生債務者が自由に申立てを取り下げることを許すべきではありません。言い換えれば、債権者への保全処分が打たれる前であれば、未だ誰にも影響を及ぼしていないため、再生債務者に自由な取り下げを認めても何ら問題はありません。以上の観点から、32条は申立ての取下げを制限しています。原則として、「再生手続開始の決定前」は、自由に申立てを取り下げることができます。しかし26条1項の命令や27条1項の包括的禁止命令や保全処分がなされた場合には、申立ての取下げには裁判所の許可が必要とされています。

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